現代人の84%が経験する腰痛とは
腰痛は現代人にとって主要な症状の一つで、実に84%の人が一生のうちに腰痛を経験すると言われ、私たち整形外科医にとって日常診療を行うにあたり腰痛の方を診療する機会が最も多いと言っても過言ではありません。
腰痛の原因は多岐にわたり、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、椎体(背骨のことです)の骨折や骨粗しょう症、最近では心理・社会的要因などが原因になるとも報告されています。当院でも開院以降腰痛で多くの方が来院されており、腰痛の治療に力を入れています。腰痛でお悩みの方、一度当院でご相談ください。
高齢者の腰痛について
日本は今や世界でも例を見ない超高齢化社会を迎え、高齢者の腰痛が増えています。60歳代では25%の方に、70歳以上の方の35%に腰痛が見られ、高齢者人口の増大に伴い患者数が増えてくると予想されます。
加齢と共に進行する、変形性脊椎症や腰部脊柱管狭窄症、背骨の骨折を起こす骨粗しょう症が高齢者の腰痛の主な原因で、中でも変形性脊椎症が最も多く高齢者の腰痛患者のおよそ70%を占めると言われています。また骨粗しょう症も重要で、背骨の骨折を起こすと他の腰痛よりも強い痛みのために日常生活が困難となることもあり注意が必要です。
骨粗しょう症に対する治療は、腰痛を予防するのみならず、日常生活動作の水準を維持する上で非常に重要であると考えます。
若年者の腰痛について
小児期の腰痛は有訴率が30~55%と言われており、年齢とともに上昇傾向があると言われています。
これは椎間板の変性と相関し、椎間板変性の要因としては肥満が指摘されています。
腰椎分離症も思春期から成人期に腰痛を来すことが知られており、小児の腰痛の原因の20%を占め、男性に多いと言われています。また一般的に若年者の腰痛では、過度の運動、もしくは進路や成績などの問題が心理的な要因として腰痛の発症に影響するため、診断と治療に際しては注意が必要となります。